PCIの進歩とその課題
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- 高昌 秀安
- 杏林大学医学部第二内科学(循環器内科)
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説明
PCIは,以前は経皮的冠動脈形成術(PTCA)と呼ばれ,その端緒は1978年にGruentzigがバルーンよる冠動脈拡張術(POBA)に始まり,1980年には日本にも導入され,1980年代まではPOBAを中心として行われてきた。90年代には,偏心性病変や分岐部病変を適応とする方向性冠動脈アテレクトミー(DCA),高度石灰化病変を適応とするロータブレータ(PTCRA)などのアテレクトミーデバイスとともにステントが登場し,その簡便性,有効性によりPCIの主役を担うこととなった。さらに再狭窄軽減を目標に2000年以降には海外で薬剤溶出性ステント(DES)が臨床使用された。日本では,2004年に承認され,臨床現場で多用されている。高い再狭窄が問題となる,びまん性病変,多枝病変,小血管,慢性閉塞性病変,ステント内再狭窄(ISR)病変などに対するDESの再狭窄低減効果が報告され,PCIの適応も従来,CABGの方が予後を改善するとされてきたLMT病変や3枝病変などを含め適応はさらに広がりつつあり今後の治療法の発展が期待される。
収録刊行物
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- 杏林医学会雑誌
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杏林医学会雑誌 46 (3), 223-227, 2015
杏林医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679869212160
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- NII論文ID
- 130005101821
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- ISSN
- 1349886X
- 03685829
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可