消化器病学を駆使した機能性ディスペプシアの治療(機能性消化管障害の最適治療を求めて,2014年,第55回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(千葉))

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment for Functional Dyspepsia with Various Kinds of Drug of the Gastroenterological Field(Searching Optimal Treatment for Functional Gastrointestinal Disorders)
  • 消化器病学を駆使した機能性ディスペプシアの治療
  • ショウカキビョウガク オ クシ シタ キノウセイ ディスペプシア ノ チリョウ

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抄録

機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)の病態は,心身医学の側面からみて縁遠い位置にあるものではない.胃酸分泌や消化管運動などの消化管生理機能障害が関与しているが,これらの機能は脳腸相関を考慮すれば心理的側面からの制御も受けているからである.2014年に作成されたFD診療ガイドラインでは,その病態から治療までを網羅しているが完全なものではない.すべての患者において一元的に適応されるわけではないからである.特に治療面においては,プラセボ効果の高い疾患であるため,プラセボ対照ランダム化比較試験の結果において,特定の薬剤種における一定の方向性がいまだ示されていない.つまり,消化器内科医が主として行う薬物治療での効果についての確固たる結論は得られておらず,今後もさらなる検討が待たれているのである.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 55 (3), 224-232, 2015

    一般社団法人 日本心身医学会

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