在宅看取りにおける心身医学的ケア(超高齢社会におけるプライマリ-ケア医の心身医学的課題,2014年,第55回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(千葉))

書誌事項

タイトル別名
  • End of Life Care at Home from Psycho-somatic Medicine(Psychosomatic Issues for Primary Care Physicians Facing in Super-aged Society)
  • 在宅看取りにおける心身医学的ケア
  • ザイタク ミトリ ニ オケル シンシン イガクテキ ケア

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抄録

近年高齢社会の進行に伴い死亡者数は増え続けている.2038年には現在の約1.5倍である約170万人が死亡すると予測されており,その受け皿は病院だけでは対応できない可能性が指摘されている.今後は在宅看取りがさらに増加してくるものと考えられる.終末期において心身医学的なアプローチは重要なテーマである.身体的な苦痛や社会的苦痛のみならず,精神的苦痛,スピリチュアル・ペインが終末期には出現する.これらへの対応がプライマリ・ケア医には求められている.さらに,死を受容するプロセスがこれらの苦痛の上に修飾され,時に対応に苦慮することもある.しかし,どのような場合でも,状態に応じてコミュニケーションの技術を用いながら,本人と家族の意思決定を繰り返していくことがそのケアの根本と考えられる.もちろん意思決定は状況に応じて揺れ動き,さまざまな支援を必要とする.真摯な傾聴と生活を営む患者と家族に寄り添い支援する姿勢がきわめて重要である.そのうえで,これらを何回も繰り返した結果として在宅の看取りが存在する.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 55 (9), 1034-1040, 2015

    一般社団法人 日本心身医学会

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