更年期の身体的精神的症状に及ぼすマインドフルネスの影響

  • 三好 裕子
    兵庫教育大学大学院学校教育研究科臨床心理学コース
  • 永浦 拡
    兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科
  • 岩井 圭司
    兵庫教育大学大学院学校教育研究科人間発達教育専攻

書誌事項

タイトル別名
  • The Impact of Mindfulness on Psychological and Climacteric Symptoms in the Menopausal Women
  • コウネンキ ノ シンタイテキ セイシンテキ ショウジョウ ニ オヨボス マインドフルネス ノ エイキョウ

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抄録

本研究では,産婦人科心身症である更年期障害における心身症状に及ぼすマインドフルネス(以下,MF)の影響を要素分解的に検討した.近年,MF関連因子による抑うつ低減効果が報告されている.また,心身症においては身体感覚や感情への気づきが低下している傾向が示されており,これらの病態に対して感覚への気づきを高めて受容するMFのスキルは症状を緩和する効果をもつことが予測される.40〜59歳の更年期女性を対象として,質問紙による横断的調査を実施し,有効回答であった183例について,抑うつ(CES-D)および更年期症状(SMI)に対するMF各因子の影響をパス解析により検討した.その結果,MF因子は互いに関連し合って更年期女性の抑うつや身体症状に負の影響を及ぼすことが示された.特に,「受容」「反応しない」「描写」がCES-Dに対して,また「受容」がSMIに対してそれぞれ抑制的な影響をもつことが示された.MFのスキルは更年期女性の心身症状に対して有用であることが示唆された.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 53 (9), 865-873, 2013

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (18)*注記

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