摂食障害の高齢化 : 入院患者の検討より(多角的視点から捉えた新たな摂食障害像追求の試み,2013年,第54回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))

書誌事項

タイトル別名
  • Aging of Eating Disorders(Novelty Clinical Features of Eating Disorders-Research Trials from a Multifaceted Perspective-)
  • 摂食障害の高齢化 : 入院患者の検討より
  • セッショク ショウガイ ノ コウレイカ : ニュウイン カンジャ ノ ケントウ ヨリ

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抄録

摂食障害(ED)の高齢化が認められるように思われるが,そのような疫学的な報告はきわめて少ない.今回,総合病院心療内科入院患者の解析により入院患者の高齢化について検討した.1998〜2008年までの入院患者数(1998年約40名から2008年約110名)をみてみると,入院患者数は神経性無食欲症むちゃ食い・排出型(ANbp)(1998年数名から2008年約60名)を中心に増えており,神経性無食欲症制限型(ANr)では増えていなかった.一方で,入院患者の平均年齢も上昇(1998年20歳代前半から2008年30歳代前半)しており,特にANbpでは入院年齢が平均約10歳(1998〜2008年)上昇していた.これは2012年の入院患者での成績でも同様で,ANbpでは平均37歳であった.中には60歳発症と思われる症例もあった.高齢ED患者では,若年ED患者や対照非ED患者と比較して,その症状や心理社会的背景が異なることも明らかになった.これらの結果から,摂食障害における重症AN患者の高齢化が示唆された.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 54 (10), 935-939, 2014

    一般社団法人 日本心身医学会

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