-
- 村上 典子
- 神戸赤十字病院心療内科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Holistic Care for Loss and Grief Resulting from Disasters(Assistance Programs of the Great East Japan Earthquake)
- 災害における喪失・悲嘆への全人的ケア
- サイガイ ニ オケル ソウシツ ・ ヒタン エ ノ ゼン ジンテキ ケア
この論文をさがす
抄録
筆者は,阪神・淡路大震災の1年後に神戸赤十字病院に新設された心療内科に赴任し,15年間にわたり復興期の被災者の心身医学的ケアに携わってきた.また,新潟県中越地震で救護班として活動した経験を通して,被災者には身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな「全人的なケア」が,急性期から慢性期・復興期にわたって必要とされるものだと考えるに至った.災害とはまさしく同時多発的な喪失体験である.特に今回の東日本大震災においては,津波による家屋や家財道具などのすべての喪失,大切な家族や友人との死別,自身の健康障害,職業や経済的損失,住み慣れた故郷の街の風景やコミュニティの喪失,原発事故による影響など,複合的な喪失体験があると考えられる.特に遺族の悲嘆は深く大きく,遺体と対面できない場合はより複雑化し,長期的なグリーフケアが必要とされるだろう.
収録刊行物
-
- 心身医学
-
心身医学 52 (5), 373-380, 2012
一般社団法人 日本心身医学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679870389248
-
- NII論文ID
- 110009445104
-
- NII書誌ID
- AN00121636
-
- ISSN
- 21895996
- 03850307
-
- NDL書誌ID
- 023590698
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可