進行性核上性麻痺の 2 症例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Progressive Supranuclear Palsy
  • シンコウセイ カク ジョウセイ マヒ ノ 2 ショウレイ

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説明

原因不明の変性疾患である進行性核上性麻痺の2例を経験した。症例1は76歳, 男性。構語障害と寡動を主訴として入院。眼球運動は全方向特に垂直方向に障害され, 更に軽度の知能障害, 仮性球麻痺, 筋固縮と頸部後屈を認めた。症例2は76歳, 男性。肺炎に罹患して入院。開眼不能(開眼失行), 全方向の注視障害, 構語障害, 後方転倒傾向, 深部反射亢進, 筋固縮, 強迫笑を認めた。進行性核上性麻痺は, 1964年Steeleらの報告以来, 15年間に本邦では49例の報告がある。発病年齢は36歳∿76歳(平均62歳)で, 性別では圧倒的に男に多い。開眼失行を伴った報告は, 7例(17%)と合併頻度が高く, 核上性眼筋麻痺との密接な関係が推察される。治療に関して, L-DOPAや抗コリン剤が有効な例も多少見うけられ, われわれの第1例に対しても軽度有効であったが, advanced stageにある第2例に対しては無効であった。

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