抑うつにおける推論の誤りを測定する自己・他者志向的誤推論尺度(Self-Other Focused Thinking Error Scale:SOFT)の作成

書誌事項

タイトル別名
  • Development of the Self-Other Focused Thinking Error Scale (SOFT) in Depression(Symposium/How Can Psychotherapy Exercise Its Power to Move the Society Forward?)
  • ヨクウツ ニ オケル スイロン ノ アヤマリ オ ソクテイ スル ジコ ・ タシャ シコウテキ ゴスイロン シャクド(Self-Other Focused Thinking Error Scale : SOFT)ノ サクセイ

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抄録

本研究の目的はBeckの抑うつ認知理論における推論の誤りを測定する尺度の作成であった.大学生および専門学校生325名から得られたデータを因子分析した結果,10項目2因子構造の自己・他者志向的誤推論尺度(Self-Other Focused Thinking Error Scale:SOFT)が作成された.第1因子(7項目)を「自己志向的誤推論」,第2因子(3項目)を「他者志向的誤推論」と名づけた.構造概念の妥当性の検証のため関連尺度との相関が検討された.自己志向的誤推論(第1因子)は,特性・状態不安,ストレス反応と正の相関を示し,ストレスコーピング量とは負の相関を示した.他者志向的誤推論(第2因子)は特性不安と正の相関を示したが,そのほかでは一部で有意傾向に留まる相関を示したのみであった.この違いは各尺度が測定する自己対他者の志向性の違いを反映したものと考えられる.第1因子と第2因子の合計得点を総合得点とした場合,関連尺度との相関関係は第1因子と類似した傾向を示した.よって尺度全体としてはSOFTの構造概念の妥当性が示されたと考えられた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 52 (9), 835-844, 2012

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (18)*注記

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