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- 船曳 康子
- 京都大学医学部附属病院精神科神経科
書誌事項
- タイトル別名
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- Mechanisms in Determining Critical Period for Vocal Learning
- ─birdsongを通して─
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説明
小鳥の歌学習は人の言語発達と同様,期間の限られた(臨界期)音声の後天学習である.その歌学習は,幼鳥時に父の歌(template)を聴き覚える感覚学習期(sensory phase),自分の声を聴いて練習する感覚運動学習期(sensorimotor phase)の2段階でなされ,成鳥後は学習しないとされてきた(結晶化).この臨界期の機構を解明するために,templateのない環境(第1段階の阻害)と聴覚マスキング法(第2段階の阻害)により2段階の学習を操作し,歌を長期的に詳細に解析した.さらに,成鳥後にtemplateの歌を再聴させ,その後の変化も調べた.<br>結果,成鳥の学習が困難なのは新しい記憶獲得が難しいためで,記憶保持や感覚運動学習はでき,歌の結晶化後もtemplateの音素に再調律する可塑性は保たれ,この可塑性は配列にはないことがわかった.また,この記憶獲得の臨界期は,templateの獲得や歌の結晶化で終結せず,日齢に起因したものと考えられた.以上より,音素と配列は学習機構も臨界期も異なることが示された.
収録刊行物
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- 音声言語医学
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音声言語医学 53 (4), 265-275, 2012
日本音声言語医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679878821632
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- NII論文ID
- 10031029296
- 130002136703
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- NII書誌ID
- AN00034826
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- ISSN
- 18843646
- 00302813
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可