喉頭筋電図にて甲状披裂筋麻痺の確定診断が得られた症例の臨床的検討

  • 宮本 真
    関西医科大学枚方病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 宮田 恵里
    関西医科大学枚方病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 友田 幸一
    関西医科大学枚方病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Cases Diagnosed as Thyroarytenoid Muscle Paralysis Using Laryngeal Electromyogram

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抄録

反回神経は,後輪状披裂筋,披裂筋,外側輪状披裂筋,甲状披裂筋の順番に分枝を出しており,個々の分枝は非常に局所の障害で影響を受ける可能性がある.理論的には甲状披裂筋麻痺は存在し,この麻痺は部分的喉頭麻痺と呼ばれている.しかし甲状披裂筋麻痺はまれとされている.<br>今回われわれは,甲状披裂筋麻痺の5症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は男性3名,女性2名で,うち3名は全身麻酔下の手術後に認めた.喉頭所見は全員,声帯の内転と外転運動は正常で,麻痺側声帯膜様部の弓状弛緩を認めた.甲状披裂筋麻痺の診断には,喉頭内視鏡のみでは不十分であり,喉頭筋電図が必要と考えられた.音声所見では,声門閉鎖不全による気息性嗄声と,甲状披裂筋と輪状披裂筋の拮抗作用が障害された声区の調節障害が特徴的であった.

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