発達性ディスレクシア児童の音読における書体の影響

  • 谷 尚樹
    筑波大学大学院人間総合科学研究科
  • 後藤 多可志
    目白大学保健医療学部 NPO法人LD・Dyslexiaセンター
  • 宇野 彰
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 NPO法人LD・Dyslexiaセンター
  • 内山 俊朗
    筑波大学大学院人間総合科学研究科
  • 山中 敏正
    筑波大学大学院人間総合科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • The Effects of Font Type on Reading Aloud in Japanese-Speaking Children with Developmental Dyslexia

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説明

本研究では,発達性ディスレクシア児童23名と典型発達児童36名を対象に,2種類の書体を用いた速読課題を実施し,書体が速読所要時間,誤読数,自己修正数に与える影響を検討した.刺激は,表記(漢字仮名混じりの文章,ひらがなとカタカナで構成された無意味文字列)と書体(丸ゴシック体,明朝体)の2×2の合計4種類である.実験参加者には,4種類の刺激を速読してもらった後,どちらの書体を主観的に読みやすいと感じたか口頭で答えてもらった.その結果,発達性ディスレクシア児童群と典型発達児童群の双方において,書体間の速読所要時間,誤読数,自己修正数に有意差は認められなかった.主観的には,発達性ディスレクシア児童群では丸ゴシック体を読みやすいと感じる児童が多かった.本研究の結果からは,客観的評価と主観的評価は異なり,丸ゴシック体と明朝体の書体の違いによる正確性と流暢性に関する「読みやすさ」の指標は見出せなかった.

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