低用量の選択的動脈内カルシウム注入法(ASVS)を行い,局在診断が可能であったインスリノーマの2例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Insulinoma Diagnosed by the Arterial Stimulation and Venous Sampling(ASVS)Procedure Using a Low Dose of Calcium Gluconate
  • 症例報告 低用量の選択的動脈内カルシウム注入法(ASVS)を行い,局在診断が可能であったインスリノーマの2例
  • ショウレイ ホウコク テイヨウリョウ ノ センタクテキ ドウミャク ナイ カルシウム チュウニュウホウ ASVS オ オコナイ キョクザイシンダン ガ カノウ デ アッタ インスリノーマ ノ 2レイ

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抄録

症例1: 62歳,男性.買い物途中に意識消失があり,当院へ救急搬送された.血糖値38 mg/dl, インスリン値18.0μU/ml (Fajans index 0.47), ダイナミックCTにて膵尾部に腫瘤像を認め,選択的動脈内カルシウム(以下Ca)注入法(以下ASVS)を施行した.脾動脈の近位,遠位から低用量(0.01 mEq/kg body weight)のCa負荷で,前値のそれぞれ15.1倍と4.4倍のインスリン値の上昇を認め膵尾部局在のインスリノーマと診断した.症例2: 82歳,女性.主訴はめまいと冷汗.空腹時血糖値42 mg/dl, インスリン値16.0μU/ml (Fajans index 0.38), ダイナミックCTでは,膵尾部に腫瘤像を認め,低用量のCa負荷でASVSを施行した.脾動脈の遠位,近位からの刺激で,インスリン前値のそれぞれ9.9倍と4.0倍の上昇を認め膵尾部局在のインスリノーマと診断した.低用量Ca負荷によるASVSで局在診断が可能であった2例を経験した.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 50 (4), 241-245, 2007

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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