ミトコンドリアDNA異常による糖尿病調査報告

  • 鈴木 進
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 東北大学大学院医学系研究科分子代謝病態学
  • 岡 芳知
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 東北大学大学院医学系研究科分子代謝病態学
  • 門脇 孝
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科
  • 金塚 東
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 千葉中央メディカルセンター糖尿病センター
  • 葛谷 健
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 藍野加齢医学研究所
  • 小林 正
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 富山医科薬科大学第一内科
  • 三家 登喜夫
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 和歌山県立医科大学臨床検査医学
  • 清野 裕
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 京都大学大学院医学系研究科糖尿病・栄養内科学
  • 南條 輝志男
    遺伝子異常による糖尿病調査研究委員会 和歌山県立医科大学第一内科

書誌事項

タイトル別名
  • イインカイ ホウコク ミトコンドリア DNA イジョウ ニ ヨル トウニョウビョウ チョウサ ホウコク

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説明

糖尿病のサブタイプとして, ミトコンドリアDNA (mtDNA) 3243A-G変異による糖尿病が明らかにされた. 我が国における3243A-G変異糖尿病の臨床像の解明を目的に, 遺伝子異常による糖尿病調歪研究委員会はアンケート法で実態調査を実施した. 3243A-G変異糖尿病患者115例の解析から, 臨床像として, 低身長, やせの体型, 糖尿病診断時年齢は比較的若年であり, 糖尿病の母系遺伝を59.1%に認めた. 診断後平均3年でインスリン治療へ移行するが, GAD抗体は全例陰性であった. 感音性難聴 (92.2%), 心筋症 (30.4%), 心刺激伝導障害 (27.8%), MELAS (14.8%), pigment retinal dystrophy (13.4%) など, ミトコンドリア関連合併症を高頻度に認めた. 末梢神経障害を49.6%に認め, 有痛性末梢神経障害は18.3%と比較的高かった. 26.1%に多彩な自律神経障害を認めた. 網膜症を56.596に, 腎症を49.696に認めた. 罹病期間 (平均12.9年) の割に慢性合併症に進行例が多かった. 本研究により, 日本人3243A-G変異糖尿病患者の特徴的な臨床像が明らかになった.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 47 (6), 481-487, 2004

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (10)*注記

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