糖尿病神経障害の発症頻度と臨床診断におけるアキレス腱反射の意義―東北地方15,000人の実態調査―

  • 佐藤 譲
    岩手医科大学糖尿病代謝内科/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会
  • 馬場 正之
    青森県立中央病院神経内科/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会
  • 八木橋 操六
    弘前大学大学院医学系研究科分子病態学病理学講座/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会
  • 須田 俊宏
    弘前大学医学部内分泌代謝感染症内科/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会
  • 富永 真琴
    山形大学医学部器官病態統御学講座液性病態診断医学分野/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会
  • 大門 真
    山形大学医学部第三内科/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会
  • 渡辺 毅
    福島県立医科大学第三内科/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会
  • 岡 芳知
    東北大学医学部糖尿病代謝科/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会
  • 豊田 隆謙
    東北労災病院/東北糖尿病合併症フォーラムプロジェクト会

書誌事項

タイトル別名
  • Frequency of Diabetic Polyneuropathy (DPN) and Clinical Significance of Achilles Tendon Reflex in Diagnosis of DPN-Survey of 15,000 Patients in Tohoku, Japan-
  • トウニョウビョウ シンケイ ショウガイ ノ ハッショウ ヒンド ト リンショウ シンダン ニ オケル アキレスケン ハンシャ ノ イギ トウホク チホウ 15 000ニン ノ ジッタイ チョウサ
  • -Survey of 15,000 Patients in Tohoku, Japan-
  • —東北地方15,000人の実態調査—

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説明

糖尿病末梢神経障害の実態と臨床診断におけるアキレス腱反射の有用性を明らかにするために,東北6県448医療機関と共同で入院・通院中の糖尿病患者を対象とした調査を行った.調査に当たっては独自に作成した「糖尿病患者調査票」を用い,自覚症状とアキレス腱反射検査は必須,振動覚検査は適宜実施とした.2003年2∼9月の期間に,総計14,744症例(年齢:64.2±11.9歳,罹病期間:9.7±7.7年,HbA1c: 7.4±2.5%, いずれも平均±標準偏差)のデータを得た.自覚症状,アキレス腱反射の低下あるいは消失,振動覚低下の発現率はそれぞれ18.8%, 40.3%, 52.0%であった.糖尿病神経障害の発現頻度は,主治医の総合的判断では27.6%, 「簡易診断基準」を適用した場合では35.8%であった.アキレス腱反射の低下・消失は自覚症状に比べて糖尿病発症早期から発現し,また,その発現率は自他覚所見「なし」群に比べて「あり」群において,有意に高率であった.アキレス腱反射は外来で手軽にできる簡便な検査であるが,糖尿病神経障害診断における有用性が示唆された.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 50 (11), 799-806, 2007

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (6)*注記

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