バセドウ病および慢性関節リウマチを合併した1型糖尿病の2例

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説明

1型糖尿病に慢性関節リウマチ (以下, RA), バセドウ病を合併した2症例を報告する. 症例1は, 48歳女性, 昭和48年にケトアシドーシスにて1型糖尿病を発症し, 平成4年にRA, 平成9年にバセドウ病を発症した. グルタミン酸脱炭酸酵素抗体 (以下, 抗GAD抗体) は陰性であった. 症例2は, 67歳女性, 昭和28年にRA, 昭和33年にバセドウ病を発症した. 昭和57年に糖尿病と診断され, 食事, 経口剤で力口療されていたがコントロールは不良であった. 平成9年抗GAD抗体を測定した結果11600U/mlと高値で, いわゆる緩徐進行型1型糖尿病と診断された, IDDM, RA, バセドウ病の3つの自己免疫疾患を合併した症例の報告は少なく, また, この2例は3つの自己免疫疾患を同じように合併しながら異なった臨床経過をたどっており, 1型糖尿病の自己免疫学的発症機序ならびに3疾患の関連性を考える上で興味ある症例と考えられる.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 43 (6), 437-441, 2000

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (15)*注記

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