強化インスリン療法の基礎インスリンをNPHからグラルギンに変更した症例の検討

  • 宮川 慶子
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター薬剤科
  • 長岡 匡
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター内科(内分泌代謝)
  • 山本 吉章
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター薬剤科
  • 土山 奈央美
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター内科(内分泌代謝)
  • 能登 裕
    独立行政法人国立病院機構金沢医療センター内科(内分泌代謝)

書誌事項

タイトル別名
  • A 48-Weeks Investigation on Cases of Switching NPH to Insulin Glargine in Intensive Insulin Therapy for Diabetes Patients in Insulin-Deficient State
  • コメディカルコーナー・原著 強化インスリン療法の基礎インスリンをNPHからグラルギンに変更した症例の検討
  • コメディカルコーナー ゲンチョ キョウカ インスリン リョウホウ ノ キソ インスリン オ NPH カラ グラルギン ニ ヘンコウ シタ ショウレイ ノ ケントウ

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抄録

強化インスリン療法中で基礎インスリンをグラルギンに変更したインスリン依存状態の糖尿病患者14例について,変更後48週における臨床効果を検討した.同時に低血糖の頻度についても調査した.対象患者のHbA1cは9.2±1.0%で4∼8週にかけて有意に低下し,48週後は8.5±0.9%であった.総インスリン投与量は30.6±8.7 U/日から,4∼16週にかけて有意に低下し,48週後は28.6±9.5 U/日となった.対象患者のうち8例が夜間の低血糖が減少したと回答した.24週から48週の平均HbA1cが9%以上の症例では,変更初期におけるインスリン投与量の変動が大きく,低血糖の頻度が増加した症例が多くみられた.夜間低血糖を減少させる点で,グラルギンへの変更は有用と考える.しかし,変更初期に血糖コントロールが不安定となり,総インスリン投与量を減量せざるを得ない症例では長期的にはコントロールが悪化する可能性もあり注意が必要である.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 50 (1), 41-46, 2007

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (5)*注記

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