家族性リポ蛋白リパーゼホモ欠損症に合併した糖尿病の1例

  • 木内 由香
    埼玉県済生会栗橋病院糖尿病内科 東京女子医科大学糖尿病センター
  • 花井 豪
    埼玉県済生会栗橋病院糖尿病内科 東京女子医科大学糖尿病センター
  • 大屋 純子
    埼玉県済生会栗橋病院糖尿病内科 東京女子医科大学糖尿病センター
  • 治部袋 佐知代
    埼玉県済生会栗橋病院糖尿病内科 東京女子医科大学糖尿病センター
  • 田中 伸枝
    埼玉県済生会栗橋病院糖尿病内科 東京女子医科大学糖尿病センター
  • 笠原 隆行
    埼玉県済生会栗橋病院糖尿病内科
  • 稙田 太郎
    埼玉県済生会栗橋病院糖尿病内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Diabetes Associated with Familial Lipoprotein Lipase Deficiency
  • 症例報告 家族性リポ蛋白リパーゼホモ欠損症に合併した糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク カゾクセイ リポ タンパク リパーゼホモ ケッソンショウ ニ ガッペイ シタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

家族性リポ蛋白リパーゼ(LPL)ホモ欠損症に合併した糖尿病の1例を報告した.患者は49歳男性.30歳以前に急性膵炎を反復,2年前に糖尿病を発症,今回,血糖コントロール悪化のため入院した.インスリン4回法にて血糖改善したが,カイロミクロン(CM)血症を伴うトリグリセリド(TG)の著増(3,750 mg/dl)を認め,ヘパリン静注後の血漿LPL濃度の著減(<9 ng/ml)およびDNA解析によりLPLのAsp 204 Gluホモ変異が証明された.妹にも膵炎の既往と高TG血症があり,家族性と考えられた.食事前および後のTGはCM分画よりVLDL,特にその大分子中に最も多く存在し,V型を呈した.LDL, HDL濃度の著減,血中FFA濃度の一貫した低値は,これらの代謝の中心にLPLがあることを示している.本例の糖尿病は痩せ型であり,CPRの著減,インスリン需要量およびアディポネクチン濃度から推察してインスリン高感受性の膵性糖尿病と考えた.また,本例には腎機能低下を伴う多発性の腎嚢胞があるが,病態の詳細は不明である.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 49 (12), 947-951, 2006

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (17)*注記

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