著明な高血糖と早朝時低血糖を繰り返した,抗インスリン抗体陽性糖尿病の1例

  • 山下 哲二
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 岡田 震一
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 河本 順子
    因島総合病院
  • 河本 紀一
    因島総合病院
  • 肥田 和之
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 國富 三絵
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 土山 芳徳
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 杉本 光
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 和田 淳
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 四方 賢一
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 槇野 博史
    岡山大学大学院医歯学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学

書誌事項

タイトル別名
  • ショウレイ ホウコク(チュウゴク シコク チホウカイ スイセン ロンブン) チョメイ ナ コウケットウ ト ソウチョウジ テイケットウ オ クリカエシタ,コウインスリン コウタイ ヨウセイ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は71歳, 男性. 45歳時に糖尿病と診断された. 64歳時よりsulfonylurea剤を, 70歳時よりインスリンによる治療を開始した, 1998年1月, 糖尿病性ケトアシドーシスを発症し近医に入院となった. 経静脈的にインスリンが投与されケトーシスは改善した. 皮下インスリン注射による強化療法に変更し, 投与量を漸増したところ早朝低血糖および日中高血糖傾向が強まった. 抗インスリン抗体陽性であり, 精査目的にて当科入院となった. euglycemic hyper insulinemic clamp study にて血糖を100 mg/dlにクランプし0.5 mU/kg/minから10 mU/kg/minへとインスリン注入率を増量したところ, ブドウ糖注入率は2.O mg/kg/minから3.5 mg/kg/minに上昇するのみであった. Total IRiは著明に上昇したが, free lRl はわずかな上昇にとどまった. インスリン減量により, 早朝低血糖は消失し, さらにステロイドホルモン内服投与により, 日中高血糖も改善した. 抗インスリン抗体が早朝低血糖および日中高血糖に関与した症例と考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 45 (5), 319-323, 2002

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (13)*注記

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参考文献 (9)*注記

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