ステロイド療法の効果をCGMで確認したIGF-II産生NICTHの1例

書誌事項

タイトル別名
  • Glucocorticoid Treatment for Hypoglycemia in a Patient with Non-islet Cell Tumor Hypoglycemia Confirmed on CGM
  • 症例報告 ステロイド療法の効果をCGMで確認したIGF-Ⅱ産生NICTHの1例
  • ショウレイ ホウコク ステロイド リョウホウ ノ コウカ オ CGM デ カクニン シタ IGF-Ⅱ サンセイ NICTH ノ 1レイ

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抄録

症例は78歳女性.前医で右肺腫瘍を指摘されるも未治療で経過中,頻回の低血糖発作が出現,意識障害を認め当院救急搬送.血糖22 mg/dl, IRI 0.81 ng/ml, CPR 0.14 ng/ml, IGF-I 44 ng/ml,胸部CTで径18 cmの右肺腫瘍を認めた.血清中Western immunoblotで大分子量のIGF-IIを確認しIGF-II産生NICTHと診断した.ブドウ糖液の持続点滴を行うも低血糖発作が頻発.腫瘍切除は困難であり,CGM下にデキサメタゾン1 mg/日内服を開始したところ低血糖発作は消失した.NICTHのステロイド療法前後の血糖推移をCGMで確認し得た報告はなく貴重な症例と考える.IGF-II産生NICTHにおいて,本例のように難治性の低血糖をきたす腫瘍切除不能例では,CGMなどを用いて効果を検証しながらステロイド療法を含めた積極的な薬物療法を試みるべきである.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 57 (12), 907-912, 2014

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (1)*注記

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