妊娠中および帝王切開術後に発生した癒着性イレウスに対して,大建中湯が奏功した一例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Intestinal Adhesive Ileus, Successfully Treated with Daikenchuto during Pregnancy and Post Cesarean Section
  • 臨床報告 妊娠中および帝王切開術後に発生した癒着性イレウスに対して,大建中湯が奏功した一例
  • リンショウ ホウコク ニンシン チュウ オヨビ テイオウ セッカイ ジュツゴ ニ ハッセイ シタ ユチャクセイ イレウス ニ タイシテ ダイケンチュウトウ ガ ソウコウ シタ イチレイ

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説明

妊娠中および帝王切開術直後に発生した癒着性イレウスに対して,大建中湯エキスを服用することにより,保存的に加療できた症例を経験した。症例は29歳女性。15歳の時に小腸軸捻転にて開腹歴あり。妊娠11週に癒着性イレウスを発症したため,大建中湯を投与したところ,大量の下痢便を認め症状は軽快。その後,胎児ジストレスにて36週に緊急帝王切開を施行。腹壁前面に小腸の強固な癒着を認めた。術後4日目に術後癒着性イレウスの診断にて,大建中湯を経口投与した。6日目に,軟状便および排ガスを認め,9日目には経口摂取を開始。その後は異常なく25日目に退院した。妊婦の高齢化に伴い,イレウス合併妊娠の報告が数多く認められる。妊娠中は母子ともに,重篤化しやすく外科的処置が必要となることが多いが,妊娠中や出産時に発生した癒着性イレウスに対して,大建中湯を用いることにより,保存的に改善する症例もあると考えられる。

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参考文献 (21)*注記

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