桂枝加桂湯が奏効した奔豚気病と思われる身体表現性障害の3症例

  • 千々岩 武陽
    労働者健康福祉機構鹿島労災病院メンタルヘルス・和漢診療センター
  • 伊藤 隆
    労働者健康福祉機構鹿島労災病院メンタルヘルス・和漢診療センター
  • 菅生 昌高
    労働者健康福祉機構鹿島労災病院メンタルヘルス・和漢診療センター
  • 仙田 晶子
    労働者健康福祉機構鹿島労災病院メンタルヘルス・和漢診療センター
  • 大川原 健
    労働者健康福祉機構鹿島労災病院内科
  • 海老澤 茂
    労働者健康福祉機構鹿島労災病院内科
  • 王子 剛
    労働者健康福祉機構鹿島労災病院内科
  • 島田 博文
    労働者健康福祉機構鹿島労災病院内科

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Somatoform Disorder Considered as "Hontonki" Disease, Successfully Treated with Keishikakeito
  • 臨床報告 桂枝加桂湯が奏効した奔豚気病と思われる身体表現性障害の3症例
  • リンショウ ホウコク ケイ シカケイ トウ ガ ソウコウ シタ ホントンキビョウ ト オモワレル シンタイ ヒョウゲンセイ ショウガイ ノ 3 ショウレイ

この論文をさがす

説明

桂枝加桂湯が奏効した奔豚気病と思われる身体表現性障害の3症例を経験した。第1例は34歳男性。頭痛,動悸,「胸から頭に何かが突きあがってくる感じ」を奔豚気と捉えて桂枝加桂湯を開始したところ,内服1週間後に頭痛,4週間後には動悸や耳鳴りが著明に改善した。第2例は22歳男性,主訴は緊張感,全身倦怠感。下肢の冷え,発作的な頭痛のエピソードを奔豚気と解釈し,桂枝加桂湯を開始したところ,自覚症状と心理テストの大幅な改善を認めた。第3例は75歳女性。自宅のリフォームを契機に激しい頭痛と動悸が出現した。桂枝加桂湯開始により,内服3週間後には症状の消失を認めた。<br>近年,奔豚気病はパニック障害と比較されることが多かったが,身体表現性障害と称される一群の中にも奔豚気病の症例が含まれている可能性がある。頭痛や動悸など身体愁訴の背景に奔豚気病の存在を疑うことが,桂枝加桂湯の処方選択に有用であると考えられた。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ