補脾剤と気剤の併用についての検討

  • 木村 容子
    東京女子医科大学東洋医学研究所
  • 杵渕 彰
    東京女子医科大学東洋医学研究所 青山杵渕クリニック
  • 稲木 一元
    東京女子医科大学東洋医学研究所 青山稲木クリニック
  • 佐藤 弘
    東京女子医科大学東洋医学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effectiveness of Combinations of Formulations for Spleen Qi Deficiency and Qi Stagnation
  • 臨床報告 補脾剤と気剤の併用についての検討--香砂六君子湯および香蘇散と補脾剤の併用を中心に
  • リンショウ ホウコク ホヒザイ ト キザイ ノ ヘイヨウ ニ ツイテ ノ ケントウ コウシャ リックンシトウ オヨビ コウソサン ト ホヒザイ ノ ヘイヨウ オ チュウシン ニ
  • —香砂六君子湯および香蘇散と補脾剤の併用を中心に—

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説明

脾虚の患者に対する治療では,補脾剤だけでなく気剤の併用が有効な場合がある。症例1‐2では六君子湯(煎じ)に気の巡りをよくする香附子,縮砂,藿香を追加した香砂六君子湯によって胃腸症状だけでなく頭重感なども改善した。症例3‐4は六君子湯と香蘇散の併用が有効であった症例である。香蘇散と合方した補脾剤は,六君子湯より虚証では四君子湯(症例8),下痢やめまいがあるときには真武湯(症例5‐6),裏寒が強いときには人参湯(症例7)を併用した。香蘇散は「必竟あしらい薬の主方なり」と主役の薬に添えられるあしらい,すなわち脇役的な役割であり,他の薬と併用することが多い。六君子湯などの補脾剤単独よりも香蘇散を併用することで胃腸症状だけでなく幅広い愁訴の改善が期待できたため,香蘇散と補脾剤との組み合わせは臨床応用の広い処方であると考えられた。

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参考文献 (25)*注記

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