重篤な低カリウム血症を呈した糖尿病性ケトアシドーシスの1例:Stewart法による酸塩基平衡解析

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Diabetic Ketoacidosis with Severe Hypokalemia -Stewart's Physicochemical Approach for Acid-base Analyses
  • 症例報告 重篤な低カリウム血症を呈した糖尿病性ケトアシドーシスの1例 : Stewart法による酸塩基平衡解析
  • ショウレイ ホウコク ジュウトク ナ テイカリウム ケツショウ オ テイシタ トウニョウビョウセイ ケトアシドーシス ノ 1レイ : Stewartホウ ニ ヨル サンエンキ ヘイコウ カイセキ

この論文をさがす

説明

症例はうつ病の36歳女性.糖尿病は未診断.入院1週間前より食事をせず飲酒のみの生活が続き,反復する嘔吐と共に意識状態が悪化し救急搬送された.糖尿病性ケトアシドーシスと診断しインスリン持続投与を開始.それに伴い血清K値は入院時の2.7 mEq/lから1.3 mEq/lまで低下したため,インスリン投与を一時中断しその間72時間で計660 mEqのKを補充した.その後血中ケトン体は減少するもアシデミアがさらに進行し,低Alb血症,低P血症を伴い複雑な酸塩基平衡異常を呈した.Stewartのphysicochemical approachにより酸塩基平衡を解析すると,強イオン性代謝性アシドーシスが主体で,原因として希釈,大量食塩水負荷,急性尿細管障害,ケトン体尿排泄の関与が示唆された.種々の電解質の欠乏を伴った酸塩基,水電解質平衡を総合的に理解するためにStewart法が有用であった.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (5), 336-341, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ