閉経後の女性に認められた,インスリン治療歴の短い糖尿病性乳腺症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Diabetic Mastopathy Associated with Insulin Treatment of Short Duration after Menopause
  • 症例報告 閉経後の女性に認められた,インスリン治療歴の短い糖尿病性乳腺症の1例
  • ショウレイ ホウコク ヘイケイ ゴ ノ ジョセイ ニ ミトメラレタ,インスリン チリョウレキ ノ ミジカイ トウニョウビョウセイ ニュウセンショウ ノ 1レイ

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抄録

症例は63才女性.主訴は右乳房違和感.家族歴,生活歴,既往歴ともに特記事項なし.2005年健診で糖尿病を指摘されるも放置.2007年より治療開始,血糖コントロール不良のため,2009年よりインスリン治療を開始している.他に明らかな合併症は認めていない.2011年右乳房に2 cm大のしこりを認め,乳腺外科受診.針生検での組織診断は良性腫瘍であったが,その後,腫瘤の増大傾向を認めたため,乳癌との鑑別困難で,手術となった.組織はびまん性に膠原線維が認められ,導管周囲にリンパ球浸潤を認めており,糖尿病性乳腺症の診断であった.本症例は,閉経後の症例であり,比較的短期間のインスリン治療歴であるため,海外の報告とは特徴の異なる糖尿病性乳腺症の症例と考えられた.最近,本邦で以前考えられていた特徴とは異なる糖尿病性乳腺症の報告が増えており,その文献的考察を加え,本症例を報告する.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 57 (1), 22-27, 2014

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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