書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Fasting Hypoglycemia in Diabetes Mellitus Associated with Growth Hormone Deficiency
- 症例報告 早朝空腹時低血糖を示す成人成長ホルモン分泌不全に併発する糖尿病の1例
- ショウレイ ホウコク ソウチョウ クウフクジ テイケットウ オ シメス セイジン セイチョウ ホルモン ブンピ フゼン ニ ヘイハツ スル トウニョウビョウ ノ 1レイ
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説明
症例は28歳女性.10歳時に頭蓋咽頭腫摘出術後に汎下垂体機能低下症となり,13歳まで成長ホルモン(以下GHと略す)の補充療法を,また現在まで継続して副腎皮質,甲状腺,抗利尿ホルモンの補充療法を受けている.手術後より体重が増加し,13歳時BMI 26.5から16歳時にBMI 29.6と肥満が増悪し,糖尿病と診断されインスリン治療が開始された.今回は28歳時に下痢発症後四肢脱力を呈し救急搬送され,高ナトリウム血症および低カリウム血症が認められた.下痢とデスモプレシンの点鼻失念による脱水と電解質異常を来した病態と診断された.脱力に関してはヒドロコルチゾンの内服失念による副腎不全と低カリウム血症の関与が疑われ,緊急入院となった.補液とデスモプレシン点鼻により高ナトリウム血症は改善し,副腎不全に対しては最終的にヒドロコルチゾン内服25 mg/日で退院となった.一方,糖尿病は食事療法の遵守により血糖コントロールが改善し,第17病日でインスリンは中止となったが,早朝空腹時の低血糖を来すようになった.アルギニン負荷試験でGH分泌が低反応であり,成人成長ホルモン分泌不全(以下AGHDと略す)と診断した.低血糖の原因として,夜間のGH分泌不全による肝臓の糖新生の低下が考えられた.インスリノーマや副腎ホルモンの補充不足は否定的であった.低血糖の程度は軽く,眠前に80 Kcalの補食摂取により空腹時血糖60 mg/dl前後を維持することができ,GHの補充療法は行わず退院とした.糖尿病を併発したAGHDの患者で,早朝低血糖を頻発し空腹時血糖の決定因子としてGHの重要性を示唆する症例を経験したので報告する.<br>
収録刊行物
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- 糖尿病
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糖尿病 55 (2), 110-115, 2012
一般社団法人 日本糖尿病学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679886193920
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- NII論文ID
- 130004511309
- 40019221024
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- NII書誌ID
- AN00166576
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- ISSN
- 1881588X
- 0021437X
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- NDL書誌ID
- 023567366
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可