<b>免疫と漢方:黄帝内経に啓示された古代人の智慧 </b>

  • 高橋 秀実
    日本医科大学微生物学免疫学教室,同付属病院東洋医学科

書誌事項

タイトル別名
  • <b>Kampo Medicine and Immune Systems as Revealed </b><b>in the Ko-tei-nai-kei </b>
  • 免疫と漢方 : 黄帝内経に啓示された古代人の智慧
  • メンエキ ト カンポウ : オウテイ ナイケイ ニ ケイジ サレタ コダイジン ノ チエ
  • Kampo Medicine and Immune Systems as Revealed in the Ko-tei-nai-kei

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説明

1990年代に入り,現代免疫学は体内免疫システムを,主として体表面に配置された異物(邪気)に対する記憶形成を伴わない「自然免疫」と血液中を循環し記憶形成をともなう「獲得免疫」に大別し,その認識抗原の実体ならびに機能について研究を展開してきた。一方,2000年以上前に記載された「黄帝内経」には,我々の体内には邪気と闘う「衛気(えき)」と「営気(えいき)」の2つのシステムが構築されており,前者「衛気」は体表面に配置され発汗調節を担い,「濁」である物質群を制御するのに対し,後者「営気」は「清」と呼ばれる純化された物質を選別し「栄養素」として「血管」内に送り込み,血液の運行を含め全身を統御するものであることが記載されている。本総説では,以上の点を踏まえ,「衛気」と自然免疫;「営気」と獲得免疫との関連性について概説し,「東洋医学」と「西洋医学」とを統合した新たな「医学」を模索する上への礎としたい。

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参考文献 (8)*注記

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