グリセリン浣腸液の腸管外注入により,急性腎不全をきたした嵌頓痔核の1 症例

  • 荻原 園子
    富士見高原医療福祉センター富士見高原病院看護部
  • 折井 みゆき
    富士見高原医療福祉センター富士見高原病院看護部
  • 安達 亙
    富士見高原医療福祉センター富士見高原病院外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Acute Renal Failure After Extraluminal Injection of Glycerin Enema
  • 症例報告 グリセリン浣腸液の腸管外注入により,急性腎不全をきたした嵌頓痔核の1症例
  • ショウレイ ホウコク グリセリンカンチョウエキ ノ チョウカン ガイ チュウニュウ ニ ヨリ,キュウセイ ジンフゼン オ キタシタ カントンジカク ノ 1 ショウレイ

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説明

グリセリン浣腸液の腸管外注入により急性腎不全をきたした症例を報告し,浣腸の手技および腸管外注入後の症状につき考察を加えた。<br>  症例は嵌頓痔核で手術予定の60歳代の女性。大腸内視鏡検査の前処置としてグリセリン浣腸120mlを施行した直後より肛門痛を訴えた。浣腸終了2 時間後より心窩部痛,嘔気が出現,10時間後には褐色調の尿を認めた。翌日には1 日尿量が96ml と乏尿となり,血液検査にて溶血が認められた。CT で直腸周囲の空気と浮腫を確認しグリセリン浣腸の腸管外注入による急性腎不全と診断した。2 日後より血液透析を開始し, 3 日後にハプトグロビンを投与した。9 日間に6 回の血液透析を実施して利尿期を迎えた。透析終了後の腎機能の回復は良好で, 2 か月後に腎機能は完全に正常化した。

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

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