深部静脈血栓症予防の包帯法で着圧低下を少なくするための工夫

書誌事項

タイトル別名
  • Ingenious Use of Elastic Bandages, Cast Paddings, and Self-Adhesive Bandages to Maintain Compression of Bandages for the Prevention of Deep Venous Thrombosis
  • 看護研究報告 深部静脈血栓症予防の包帯法で着圧低下を少なくするための工夫 : 弾性包帯,キャストパディング,自着包帯を使用して
  • カンゴ ケンキュウ ホウコク シンブ ジョウミャク ケッセンショウ ヨボウ ノ ホウタイホウ デ チャクアツ テイカ オ スクナク スル タメ ノ クフウ : ダンセイ ホウタイ,キャストパディング,ジチャク ホウタイ オ シヨウ シテ
  • 弾性包帯,キャストパディング,自着包帯を使用して

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説明

当院整形外科病棟では周術期の深部静脈血栓症(以下DVT)予防に,弾性ストッキングを使用しているが,サイズが合わない,骨突出や皮膚障害があるなどの理由で使用できない患者には,弾性包帯を使用している。弾性包帯は適切な着圧で正しく装着すれば弾性ストッキング同様の効果があると考えられている。しかし,圧迫圧が不明確で低下しやすい,骨突出のある患者では局所の圧迫により皮膚損傷が見られるという問題点がある。異なる種類の包帯を多層に重ねる包帯法(以下多層包帯─キャストパディング,弾性包帯,自着包帯を使用)は,弾性包帯の問題点を補うことができるのではないかと考え,着圧測定器を装着し,両者の方法で経時的な着圧変化,6時間後の皮膚状態,一般状態,着圧感を評価した。<br>  6時間後の平均着圧低下率は,弾性包帯で52%,多層包帯では37.4%であった。<br>  皮膚のしわは,6時間後に弾性包帯装着下肢で10名にはっきりと見られ,多層包帯装着下肢では薄いしわが9名に見られた。<br>  弾性包帯と多層包帯の着圧低下のt検定の結果,P=0.036と有意差が認められた。<br>  6時間後の平均着圧低下,皮膚状態から,多層包帯の方が着圧低下しにくく,キャストパディングは局所への圧の集中を軽減させる効果があったと言える。しかし参考文献では,DVT予防に弾性包帯は安易に使用すべきではないと述べているため,弾性包帯を使用する際は,正しい知識をもち,適切な着圧で巻く訓練が必要である。

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参考文献 (3)*注記

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