大腸癌における血清p53抗体測定の意義

  • 大田 貢由
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 藤井 正一
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 市川 靖史
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 諏訪 宏和
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 辰巳 健志
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 渡辺 一輝
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 山岸 茂
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 田中 邦哉
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 秋山 浩利
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学
  • 遠藤 格
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器病態外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Significance of Measuring Serum p53 Antibodies in Colorectal Cancer Patients

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説明

大腸癌における血清p53抗体測定の意義について検討した.対象は手術を施行した大腸癌251例であり,うち同時性多発癌を28例に,同時性重複癌を8例に認めた.術前に血清CEA, CA19-9, p53抗体を測定し,臨床病理学的背景と比較した.多発癌,重複癌を除いた215例の陽性率はCEAが31.2%,CA19-9が15.8%,p53抗体が31.6%で,これら三者のいずれかが陽性になる率は60.0%であった.便潜血陽性の症例でp53抗体の陽性率がCEAに比べて有意に高かった(p=0.0215).また,Stage Iでp53抗体の陽性率がCEAに比べ有意に高かった(p=0.0002).同時性多発癌におけるp53抗体の陽性率は53.6%であり,単発癌に比べて有意に高かった(p=0.0213).重複癌におけるp53抗体の陽性率は50%で,単発癌に比べて有意差はないものの,陽性率が高い傾向がみられた.p53抗体を測定することは早期癌の発見や,多発癌,重複癌の見逃しを防止するために有用であると思われた.

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (33)*注記

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