表在型Barrett食道腺癌11例の検討

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  • A Clinicopathological Study on 11 Cases of Superficial Adenocarcinoma in the Barrett Esophagus

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はじめに:欧米では食道癌の約半数をBarrett食道由来と考えられる食道癌(以下,Barrett食道腺癌)が占めるようになってきている.本邦では食道癌の大多数は扁平上皮癌である.しかし,食生活・体格の欧米化に伴い,今後Barrett食道腺癌が増えてくることが予想されている.現在のところ,Barrett食道腺癌の報告例は多いとは言えず,その臨床病理組織学的特徴も明らかにされているとはいえない.方法:Barrett食道腺癌の臨床病理組織学的特徴を明らかにするため,当院にて切除術を施行した表在型Barrett食道腺癌11例16病巣について検討を行った.結果:表在型Barrett食道腺癌では,通常の食道表在癌(扁平上皮癌)に比べて,女性の割合が多く(27.3% vs 9.1%;p=0.0415),大酒家が相対的に少ないことが示された.また,癌の多発例が有意に多く認められた(45.5% vs 14.3%;p=0.0162).病理組織学的には,主病巣の組織型は16例中14例が高分化型腺癌と分化型が多く,squamocolumnar junction(SCJ)近傍発生例が11例を占めた.癌周囲のBarrett上皮は特殊円柱上皮型を示すものが12例と多かった.考察:以上の結果は諸家の報告とおおむね一致したが,扁平上皮癌に比べ女性例が多いことや,大酒家が相対的に少ないことなどはこれまで明言されておらず,さらに症例を重ね検討を進めていきたい.

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