十二指腸閉塞を来した毛髪胃石の1例

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タイトル別名
  • A Case of Duodenal Obstruction due to Trichobezoar

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抄録

毛髪胃石により十二指腸閉塞を来したまれな1例を報告する.症例は11歳の女児で,7歳頃から食毛癖があり適応障害・アセトン血性嘔吐症と診断されていた.今回は繰り返す嘔吐と腹痛のため来院した.左上腹部に硬い腫瘤を触知し,白血球,肝胆道系酵素,膵酵素の上昇を認めた.腹部造影CTでは,ガスを含む網目状の巨大な構造物が胃を充満し,十二指腸水平脚にも同様の構造物を認めた.毛髪胃石による十二指腸閉塞と診断し,緊急開腹術にて鋳型状の毛髪胃石と十二指腸水平脚の毛髪結石を一塊にして摘出した.本例は毛髪胃石の一部が尾のように連なり先進部が十二指腸にまで至ったことで,腹痛・嘔吐・腸閉塞症状・胆道系酵素上昇・膵酵素上昇などの症状を呈したと考えられた.診断には食毛癖の把握と特徴的なCT所見が有用であった.

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参考文献 (12)*注記

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