術後長期無再発生存中の胃原発絨毛癌の1例

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  • Primary Gastric Choriocarcinoma with Long Term Postoperative Survival

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抄録

症例は83歳の男性で,2008年4月より労作時息切れがあり当院を受診した.Hb 4.9 g/dlと貧血があり,上部消化管内視鏡検査で胃角部に潰瘍浸潤型の腫瘍を認めた.生検で低分化型腺癌と診断され,幽門側胃切除を施行した.腫瘍は90×80 mmで壊死と深い潰瘍を伴っていた.病理組織学的に腫瘍の浅層には低分化型腺癌,浸潤部には合胞体栄養細胞に類似した大型好酸性多核細胞を認め,免疫染色検査でヒト絨毛性ゴナドトロピン陽性であったため絨毛癌と診断した.H0,P0,CY0,M0,pT3,pN1(小彎リンパ節;2個陽性),fStage IIIAであった.高齢のため化学療法は施行していないが術後6年の現在,再発兆候は認めていない.本腫瘍は腺癌と併存することが多く,また遠隔転移を伴いやすく,大型の進行癌で診断されることが多いため極めて予後不良であるが,治癒切除例,化学療法著効例で長期生存例が得られることがある.

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参考文献 (26)*注記

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