膵臓に発生したコレステリン肉芽腫の1例

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  • Cholesterin Granuloma of the Pancreas

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抄録

症例は64歳の男性で,2型糖尿病で通院中である.過去2回,多量飲酒による急性膵炎での入院治療歴があった.今回,再度多量飲酒後,上腹部痛が出現し,急性膵炎の診断にて入院となった.USにて膵頭部に1 cm大の不均一な低エコー腫瘤を認めた.CT,MRCPにて膵頭部主膵管の不整狭窄とそれより尾側の主膵管拡張がみられ,同部で下部胆管の狭窄も認めた.ERCPでは,膵頭部主膵管に2 cm長の広狭不整像がみられた.腫瘍マーカーのCEA,CA19-9は基準値内であった.膵癌の可能性も否定できず亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(D2,subtotal stomach-preserving pancreaticoduodenectomy-II再建(SSPPD-II再建))を施行した.膵頭部に1.5 cm大の弾性硬の腫瘤を認めた.術後の病理組織学的検査にてコレステロール結晶とこれを取り囲む異物巨細胞が認められ,コレステリン肉芽腫と診断された.膵臓に発生したコレステリン肉芽腫は極めてまれである.

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