脾臓原発血管筋脂肪腫の1例

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  • Primary Angiomyolipoma of the Spleen-A Case Report-

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抄録

極めてまれと考えられる脾臓原発の血管筋脂肪腫を経験したので報告する.症例は80歳の女性で,結節性硬化症の合併はなく,胃癌精査の腹部CTで左上腹部に不整形の腫瘤を発見された.膵尾部への浸潤が疑われたが,腎,肝臓など他臓器に腫瘤は認めなかった.血管造影検査で腫瘤は脾動脈より濃染された.脾悪性腫瘍を疑い手術を行ったが,脾腫瘍は脾被膜内にとどまり脾摘のみ行った.腫瘍を含め,脾臓は14×12×9 cm,444 gで,割面では壊死,出血はなく,黄色や嚢状の結節と既存の脾組織様の部分が混在していた.病理組織学的検査では紡錘形あるいは多陵形でN/C比大の異型細胞が増生し,拡張や壁肥厚を伴った血管や脂肪組織の介在が豊富であった.免疫染色検査でCD68陰性,desmin陽性,αSMA一部陽性,HMB45陽性,Ki67/MIB1標識率は1~3%程度であることから脾臓原発の血管筋脂肪腫と診断された.脾臓原発血管筋脂肪腫は海外で1例報告されているのみであった.

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