人工肛門粘膜皮膚接合部肉芽形成とストーマ旁ヘルニアの関連

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  • The Association of Peristomal Granulomas and Parastomal Hernia

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目的:人工肛門粘膜皮膚接合部における肉芽(接合部肉芽)発生の関連因子としてストーマ旁ヘルニア(旁ヘルニア)やその他の臨床学的因子がなりえるか分析する.また,旁ヘルニアを合併する接合部肉芽の形態的特徴と症状の有無について検討する.方法:当院にて2002年9月から2010年7月までに直腸切断術と下行またはS状結腸の単孔式人工肛門造設術を行った145例を対象とした.接合部肉芽発症26例と非発症119例で,旁ヘルニアを含む臨床学的因子を比較した.また肉芽発症群を旁ヘルニア合併17例と非合併9例にわけ,肉芽の連続形成(3個以上の肉芽が間隔をあけず形成されるものと定義した)と出血,疼痛といった症状について比較した.結果:多変量解析にて,旁ヘルニアの存在(P=0.018),術前BMI 23.5以上(P=0.035)が接合部肉芽発症の有意な関連因子となり,ストーマの高さがスキンレベルであること(P=0.052)も関連の傾向が見られた.かつ,術前BMIとストーマの高さは旁ヘルニアに対しても有意な関連を持っていた.旁ヘルニア合併接合部肉芽は,非合併例と比べて有意に連続形成を示し(P=0.004),症状を伴っていた(P=0.039).結語:旁ヘルニアは接合部肉芽の有意な関連因子であり,肉芽の連続形成と有症化にも関与すると考えられる.接合部肉芽の治療においては保存的治療の他に旁ヘルニアの対策が必要である.

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