反応動作前のα-blockingと緩電位変動との関連について

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タイトル別名
  • RELATIONSHIP BETWEEN ALPHA-BLOCKING AND SLOW POTENTIAL CHANGES PRECEDING REACTION MOVEMENT
  • ハンノウ ドウサ マエ ノ アルファ blocking ト カンデンイ ヘンド

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抄録

単純反応動作において, 予告刺激に伴うα-blockingの変動と動作の準備状態との関連性を明らかにするために平均加算法によって得られたα波包絡線と緩電位変動の頭皮上分布に関して比較検討を行った。結果は以下のとおりであった。<BR>(1) 緩電位 (準備電位, CNV早期および後期成分) は中心野, 前頭野に優位であった。準備電位は同側中心野と比べ対側中心野で優位であったが, CNV早期成分は両側性に出現した。CNV後期成分は準備電位と類似した頭皮上分布を示したが, 後者の方がより非対称性が著明であった。<BR>(2) 動作なしの光刺激によるα-blocking (コントロール) は, 中心野, 後頭野とも両側性に生じたが, 反応動作の予告刺激に伴うα-blockingはコントロールと比較すると, 前頭野, 中心野で著明であり, 同側中心野に比べ対側中心野で優位に生じた。<BR>(3) 同一条件下ではα-blocking率が増大するほどその潜時は短縮するが, 反応動作一条件をコントロールと比較するとα-blocking率が増大しても潜時は逆に延長し, 動作時まで相対的にα-blockingが維持された。さらにまた駆動刺激が呈示される時点でのα-blocking率1が, コントロールの同時点でのα-blocking率に比べて増大するほど反応時間は短縮した。<BR>以上のことから, 予告刺激に伴うα-blockingは感覚刺激の入力系のみならず, 準備電位成分も反映し, 経時的には動作遂行時でのα-blocking率が増大することが示唆された。

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 30 (3), 148-156, 1981

    一般社団法人日本体力医学会

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