集学的治療で完全奏効が得られた肝転移を伴うcStage IV膵体部癌の1例

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タイトル別名
  • Complete Response after Multidisciplinary Therapy for cStage IV Pancreatic Body Cancer with Liver Metastasis

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説明

<p> 症例は69歳の女性で,背部痛を主訴に近医を受診し膵腫瘍を指摘され,当科紹介となった.生検結果は腺癌であり,膵体部癌,TS3(35 mm),cT3,cS1,cRP1,cPV1(PVp,PVsp),cA1(Asp),cPL1,cN0,cM1(HEP),cStage IVの診断であった.遠隔転移を伴う切除不能膵癌に対してgemcitabine+nab-paclitaxel療法を施行した.6コース施行後に肝転移の消失を確認した.残存する原発巣に対してS-1+放射線療法(56 Gy)を施行し,その後S1による維持療法を施行した.治療開始から12か月後の効果判定ではcomplete response(以下,CRと略記)であり,CA 19-9は1,846 U/mlから13.3 U/mlまで著明に低下した.組織学的な癌遺残の可能性を考慮し,脾合併膵体尾部切除術+肝部分切除術を施行した.病理組織学的検査では切除した膵臓,肝臓ともに腫瘍細胞を認めず,最終病理診断はCRであった.遠隔転移と局所進行を伴う切除不能膵癌の予後は極めて不良であるが,集学的治療が著効し,病理組織学的CRを得られた症例を経験したので報告する.</p>

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