脳卒中易発症ラットの血圧と血管障害に及ぼす食塩負荷および自由運動の影響

書誌事項

タイトル別名
  • THE EFFECT OF VOLUNTARY EXERCISE AND THE INFLUENCE OF SALINE LOADING ON SYSTOLIC BLOOD PRESSURE AND VASCULAR LESIONS IN STROKE-PRONE SHR
  • ノウソッチュウ イハッショウ ラット ノ ケツアツ ト ケッカン ショウガイ

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説明

脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット (Strokeprone SHR) の雄40匹を運動群 (n=20) と安静群 (n=20) にわけ, 両群の半数の10匹に飲料水として1%食塩水を飲ませ, もう半数は水道水とし, 生後7週齢より5週間飼育した.この間の血圧の変化および腎, 心, 脳の血管病変に対する自由運動の影響について検討した.<BR>1.水道水摂取では自発的運動により血圧の上昇が抑えられて, その上昇量は運動量の多いラットほど低いものであった.<BR>2.自由運動に伴う血管病変への影響は水道水摂取群ではみられなかった.<BR>3.食塩の過剰摂取状態で運動を負荷した群では血圧上昇が著しく高く, 運動量が多いものほど血圧の上昇も高いという, 水道水摂取群とは逆の傾向が示された.<BR>4.食塩負荷群の血管病変は腎, 心, 脳ともに水道水摂取群よりも高頻度に発生し, 中でも運動群では腎, 心は全例に, 脳では7例中4例に小動脈病変がみとめられ, 発現頻度も, その範囲もより広いものであった.<BR>以上の結果から, 通常の状態においては, 自発的運動は血圧の上昇を改善する効果をもつが, 過剰の食塩を摂取している状態で行なう高強度の運動はかえって血圧上昇に促進的に働くことが示され, 血管障害の誘発を増大させるものと結論した.

収録刊行物

  • 体力科学

    体力科学 37 (4), 317-322, 1988

    一般社団法人日本体力医学会

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