脾破裂を契機に診断された多発肝転移を伴う脾littoral cell angiomaの1例

  • 高原 善博
    独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院外科
  • 大塚 恭寛
    独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院総合診療科
  • 小笠原 猛
    独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院外科
  • 野村 悟
    独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院外科
  • 宇野 秀彦
    独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院外科
  • 川原 健治
    独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院外科
  • 小松 悌介
    独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院病理部

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Littoral Cell Angioma with Multiple Liver Metastasis

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抄録

<p>Littoral cell angioma(以下,LCAと略記)は免疫染色検査にて脾内皮細胞と組織球細胞両方の表現型を併せ持つlittoral cellの存在でのみ診断しえる脾原発のまれな疾患であり,画像上の特徴は他の脾腫瘍と比べて認めず,術前診断は困難であるとされている.症例は68歳の女性で,他院にて胸部大動脈瘤ステント留置後のフォローCTにて脾腫を認めたために当院紹介受診予定となっていた.腹痛を主訴に受診し脾臓破裂による腹腔内出血の診断にて脾臓摘出を施行した.最終病理診断はLCAであり悪性所見は認めなかった.当院で施行したCTでは前医で施行したときには認めなかった多血性腫瘤を認め,組織学的に証明することは困難であるが他の内臓疾患からの転移などは否定的でありLCAの肝転移が疑われた.LCAは非常にまれではあるが破裂する可能性があり,LCAを疑う脾腫や結節を認めた場合には積極的な外科的治療を考慮すべきである.</p>

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参考文献 (10)*注記

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