膵頭部癌術後の難治性リンパ漏に対して経皮経肝リピオドールリンパ管造影が著効した1例

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  • Refractory Lymphatic Fistula after Pancreaticoduodenectomy Treated by Percutaneous Transhepatic Lymphography

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<p> リンパ漏は比較的まれな術後合併症であるが,悪性腫瘍に対する膵切除術後では発症率は高い傾向にあることが報告されている.我々は78歳の男性の膵頭部癌に対する膵頭十二指腸切除術後にリンパ漏を発症した症例を経験した.絶食,中心静脈栄養,オクトレオチド皮下注による保存的治療を行ったが,症状の改善を認めない難治性症例であった.まず傍大動脈リンパ節サンプリング部位からのリンパ漏の可能性を考え,両側鼠径部から経皮的リピオドールリンパ管造影を施行したが,傍大動脈リンパ節領域にリンパ漏出部分を認めず症状の改善も認めなかった.次に,経皮経肝リピオドールリンパ管造影を施行した.胆管空腸吻合部周囲に広範囲にリピオドールの漏出を認め,5日後にはリンパ漏は完全に消失した.その後リンパ漏の再燃を認めず,術後7か月の現在まで無再発生存中である.</p>

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