放射線障害による脊椎圧迫骨折と思われた2症例

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  • Vertebral Fracture Complications following Radiation Therapy: Report of Two Cases

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【目的】放射線障害の脊椎圧迫骨折の発生時期及び予後を観察した.【症例】1. 88歳,女性.NTX66.9.食道癌に対してコバルト照射計54Gy施行.照射終了後3ヶ月に掃除の際軽く腰を捻って腰痛発症.第一腰椎圧迫骨折Type I-1に対してクロスバンドコルセット療法開始.4週X-Pにてcleft発生し,8週にて圧潰進行したが,その後腰痛は消失した.2. 77歳,女性.NTX86.5.子宮癌に対して照射計69Gy施行.照射終了後6ヶ月にて誘因なく腰痛増強.第四・五腰椎圧迫骨折Type I-2に対してクロスバンドコルセット療法開始.2週X-Pにて圧潰進行したが,cleft形成はなくその後安定化し腰痛消失した.【結語】放射線治療が必要な場合,特に高齢女性はその後の放射線障害としての脊椎圧迫骨折の発生を念頭に置くべきである.病態が壊死に近い場合,初期のMRIでは線状陰影でもその後2~3週は圧潰進行する場合がある.しかし,その後は通常の骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折の経過と同様予後は良好であった.

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