人工膝関節全置換術後に金属アレルギーを発症した1例

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今回,人工股関節全置換術(THA)後1年が経過した時点で人工膝関節全置換術(TKA)を施行し,金属アレルギーを発症した1例を経験したので報告する.症例は73歳女性.72歳時に右THAを施行し,術後経過良好であった.術後1年で右変形性膝関節症に対し右TKAを施行した.術後4週で全身に浮腫性紅斑が出現した.パッチテストにて,クロム,コバルト,水銀,ニッケル,使用インプライント金属に対して陽性を示し,TKA術後の金属アレルギーと診断した.ステロイドパルス療法により症状は沈静化した.人工関節術後には約6.5%に金属感作が成立するとされているが,本症例においても先行のTHAに使用されたインプラントの金属に対し感作が成立し,その後のTKAにて同種の金属を使用したことにより重篤な金属アレルギーを発症したと考えられた.

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