発育性股関節形成不全(Crowe Ⅱ)に大腿骨近位部骨折を生じた1例

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抄録

【はじめに】発育性股関節形成不全に大腿骨近位部骨折を生じた比較的稀な症例を経験したため報告する.【症例】症例は84歳女性.自宅で右側へ転倒し受傷.右大腿部痛のため体動困難となり当院へ救急搬送となった.単純X線およびCT検査にて発育性股関節形成不全(Crowe Ⅱ)を認めており,右大腿骨近位部には頚部から転子部にかけて骨折を生じていた.受傷後7日目にbulk femoral head bone graftを併用した人工股関節全置換術にて股関節の再建を行い,大転子部はプレートを用いて骨接合を行った.術後は4週間患肢免荷管理とし,1/3荷重から部分荷重歩行を行い,術後8週で全荷重とした.術後7か月時点で四点式歩行器にて短距離であれば歩行可能となっている.【考察】発育性股関節形成不全股に大腿骨近位部骨折を生じた1例を経験した.本症例と同様の治療報告は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.

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