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- 樫原 稔
- 名瀬徳洲会病院整形外科
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説明
肩関節後方脱臼の1例を経験したので報告する.症例は86歳女性で転倒して右手をついて受傷し,19日後に当科を初診した.右肩関節痛と極度の肩関節可動域制限があり,X線写真では骨頭と関節窩の楕円形の重なりが変形し,CTではreverse Hill-Sacks lesion,20%程の骨頭陥没および後方脱臼を認めた.徒手整復を行ったが,以後2回脱臼したため,受傷して49日後に観血的整復術を行った.手術は弛緩した後方の関節包を切開して関節窩の内側と肩甲棘にMitek G2で縫着した.術後6カ月で肩関節可動域は屈曲150°,外転110°,外旋15°と制限があるが疼痛はない.肩関節後方脱臼は比較的まれで,初診時に正しく診断されずに陳旧例となって治療に難渋することがある.罹病期間が長いほど,また骨頭陥没が大きいほど観血的整復術が困難で,人工骨頭や人工関節の適応になることがある.本症例は受傷後49日で骨頭陥没が20%程で観血的整復術が可能であった.
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 62 (4), 682-684, 2013
西日本整形・災害外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679916611456
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- NII論文ID
- 10031200313
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- NII書誌ID
- AN00126582
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可