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- 生田 拓也
- 熊本整形外科病院
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抄録
【要旨】脛骨近位端粉砕骨折例で高度貧血があり輸血拒否の症例にDCO(damage control orthopaedics)にて対処したので報告した.症例は62歳,女性.自動車自損事故にて受傷した.近医で左脛骨近位端粉砕骨折の診断にて手術予定であったが高度貧血のため手術延期となった.また,宗教上輸血を拒否しているため希望により当院へ転院となった.転院翌日の受傷後12日目に創外固定を行い貧血の改善を待って創外固定術後2週で内側外顆および外側後顆の骨接合術を施行しさらに3週間待機して外顆の骨接合術を行った.以後徐々に症状は回復した.宗教上輸血を拒否する症例は,治療内容より輸血をしないことが第一の希望である.輸血を回避するために治療期間が延長すること,及び関節機能が低下することなどのデメリットを充分に説明した上で,可能な範囲で要求に答えられる方法を選択すべきである.本症例に関してはDCOが有用であった.
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 66 (3), 526-528, 2017
西日本整形・災害外科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679916959744
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- NII論文ID
- 130006252111
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可