高位脛骨骨切り術の術後感染の検討

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【はじめに】近年,内側型変形性膝関節症に対して高位脛骨楔状開大骨切り術(以下OWHTO)が広く行われるようになった.それに伴い,合併症の報告も散見されるようになった.今回,当科で施行したOWHTOの感染合併例を検討した.【対象と方法】2009年1月~2016年8月に当院にてOWHTOを施行した251膝(男性71膝,女性180膝)を対象とした.検討項目として,感染発症例数,発症時期,起炎菌,合併症の有無,治療,術後のアライメントの変化について調査した.【結果】感染発症例数は13例(5.1%),発症時期は術後平均130日(15~352日)であった.起炎菌はMRSA1例,MSSA7例,MRSE1例,B群レンサ球菌1例,CNS1例,negative 2例であった.糖尿病合併は4例認め,悪性リンパ腫や多発性血管炎の合併も認めた.プレート温存は1例のみであり,残りの12例はプレートの抜釘が必要であった.抜釘術を施行した12例中5例で再内反を認めた.【考察】OWHTO後の術後感染の発生率は1~5%とされているが,当院での感染率は5.1%とやや高値であった.治療はデブリドマンとプレートの抜去で全例鎮静化が得られたが,術後早期発症例,5例では再内反を認めた.術後早期の感染症合併を予防することが重要だと考えられる.

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