デノスマブ投与前後の病理学的評価を行った仙骨骨巨細胞腫の一例

  • 佐々木 裕美
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 永野 聡
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 藤元 祐介
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 鶴 亜里沙
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 瀬戸口 啓夫
    鹿児島大学大学院近未来運動器医療創生学講座(くすのき会)
  • 小宮 節郎
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学

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説明

<p>【背景】デノスマブは2014年に骨巨細胞腫に対する効能が承認され,切除不能な仙骨,脊椎例などで良好な成績が報告されている.一方,投与期間や手術時期など治療プロトコールは未確定である.【症例】66歳女性,S1~4左側の骨腫瘍で生検にて骨巨細胞腫の診断にてデノスマブ投与を開始した.骨吸収マーカーであるTRACP-5bは投与1週後から正常化した.MRIではサイズの変化は認めずSDを維持し,12回投与(10カ月)後,治療効果判定と正常骨の評価目的で生検術を施行した.病理学的には多核巨細胞腫はほぼ消失し,紡錘形細胞の増殖能も著明に低下していた.腸骨の骨形態計測では骨吸収,骨形成とも低下が見られた.【考察】骨巨細胞腫に対するデノスマブ治療では画像上縮小が得られなくても病理学的には治療効果が明らかであった.一方正常骨代謝への影響も見られ,継続期間についての検討が必要であると思われた.</p>

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