高齢者の股関節周辺骨折を疑いMRIを用いて診断に至った症例の検討

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【目的】高齢者の股関節周辺骨折を疑いMRIを用いて診断に至った症例を検討した.【対象】2012年の1年間に外傷を契機に股関節周囲の疼痛が出現するも単純X線では確定診断できず股関節MRIを実施した症例21例(平均82.4歳)を対象とした.【結果】受傷機転は転倒19例,下肢を「捻った」が1例,歩行時の打撲が1例であった.初診時の単純X線では3例に大転子単独骨折,2例に恥坐骨骨折が診断された以外では骨傷は指摘されなかった.MRI診断の内訳は骨盤骨折9例,大腿骨近位部骨折が7例,大転子骨挫傷1例,軟部組織損傷3例,外傷変化無しが1例であり,対象の76.2%で骨折が診断された.単純X線で大転子単独骨折を認めた3例では全例MRIで大腿骨転子部骨折を合併していた.MRIで大腿骨近位部骨折と診断した7例では手術を行った.【結論】股関節周辺不顕性骨折を詳細に診断するためにはMRIの役割は大きいと考えられた.

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