銅溶液を用いた蚊の幼虫殺滅試験および産卵指向性試験

DOI Web Site 参考文献19件 オープンアクセス
  • REZA Mohamad
    Division of Medical Zoology, Jichi Medical University Department of Biology, Faculty of Medicine Andalas University
  • 山本 大介
    Division of Medical Zoology, Jichi Medical University
  • 松岡 裕之
    Division of Medical Zoology, Jichi Medical University

書誌事項

タイトル別名
  • Larvicidal and ovipositional preference test of copper solution for mosquitoes

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説明

我々は以前の研究で，2.4 ppm の銅溶液により2週間以内に蚊幼虫（Anopheles stephensi）が死亡することを見出したため，銅溶液のオビトラップへの利用を考え実験を行った．3種類の蚊（An. stephensi, Aedes albopictusおよびCulex pipiens pallens）幼虫を用意し10 ppmの銅溶液中に放つと，幼虫は96時間以内に90％以上が死亡した．3.3 ppmの銅溶液のもとではCx. pipiens pallensは他の2種に比べて感受性が強く，60％が24時間以内に死亡した．An. stephensiとAe. albopictus は48時間後にもまだ50％が生存していた．さらなる実験としてAn. stephensi, Ae. albopictusおよび野生のAn. sinensisに対して，10 ppmの銅溶液と銅を含まない水（0 ppm）への産卵を観察したところ，3種とも10 ppmの銅溶液と銅を含まない水とを区別することなく産卵した．これらの結果は銅溶液をオビトラップに用いることで，安価な蚊幼虫防除ができる可能性を示している．

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 65 (3), 147-150, 2014

    日本衛生動物学会

参考文献 (19)*注記

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