胞巣状軟部肉腫の治療経験

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説明

比較的稀な腫瘍である胞巣状軟部肉腫(ASPS)3例の治療を経験したので報告する.症例は全例女性で,年齢は11,18,25歳であった.経過観察期間は平均4年8ヵ月であった.発生部位は全例筋層内(三角筋,大腿四頭筋,下腿三頭筋)であった.原発巣の治療は,辺縁切除+追加広範切除1例,広範切除1例,大腿切断1例であった.術後局所再発は1例も認めていない.2例に初診時既に多発肺転移を認め,他の1例も経過中に多発肺転移を生じた.更に頭蓋骨転移1例,小脳転移1例をみとめた.転移巣に対する治療は,1例に肺腫瘍切除,頭蓋骨腫瘍切除が,1例に放射線照射が行われた.化学療法は1例にADR+IFM+VCRが,1例にADR+IFMが行われ,2例にパゾパニブが投与された.1例でパゾパニブによる転移性肺腫瘍の縮小を認めたが,肺腫瘍は3例ともに緩徐に増大している.腫瘍学的転帰は3例ともにAWDであった.今後ASPSに対する有効な治療法の確立が望まれる.

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